韓国ホワイト国外しからGSOMIA破棄停止(GSOMIA延長)までの経緯を説明

経済と知財
出典:NHK
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韓国GSOMIA破棄決定から破棄停止(GSOMIA延長)までの経緯を説明

 こんにちは。

 企業内弁理士のタクパパです。

 今日は知財とは関係ないですが、何かとお騒がせの韓国GSOMIAについての記事です。

 できるものなら関わりたくはないですが、隣国となるとそうはいかず、日本の安全保障だけでなく経済にとっても韓国は重要な国ですよね。

 「徴用工判決」、「レーダー照射事件」と韓国の反日運動がエスカレートしているのは去年あたりからでしょうか。

 毎度、毎度、突っ込みどころ満載のもはやネタなのかなと思ってしまうくらいの論理を繰り出す韓国ですが、今回もまたやってくれましたね。

 というわけで2019年8月22日の突然のGSOMIA破棄からつい先日、2019年11月22日のGSOMIA破棄効力の停止(GSOMIA延長)までの経緯を説明してみたいと思います。

日韓のGSOMIA(包括的保全協定)とは?

 GSOMIAとはGeneral Security of Military Information Agreement, GSOMIAの頭文字を取ってジーソミアと呼ばれる包括的保全協定(ほうかつてきほぜんきょうてい)のことですね。

 日本語では、「軍事情報に関する包括的保全協定」といって、要するに仲の良い2国、または複数の国の間で

「お互いに秘密の軍事情報を提供し合いましょう」

「第三国へ秘密軍事情報を漏らすのはお互いやめましょう」

 ということで締結する協定のことです。

 日本はアメリカやNATOなどの7カ国とこのGSOMIAを締結しているということで、意外に少ないのですね。

 ちなみに日韓のGSOMIAが締結されたのは2016年の朴槿恵前大統領の時代です。

 意外に最近の話ですよね。

 このときは北朝鮮の核実験や長距離弾道ミサイルの実験が頻発していたときで、日米と韓国との間の安全保障の協力が特に必要とされていました。

 また、アメリカがこれを積極的に支持したことで、日韓のGSOMIAが締結されることになったようです。

 なお、GSOMIAは、日本と韓国のいずれかが破棄を通告しないかぎり、1年ごとに自動的に延長されることになっているものです。

韓国が突然のGSOMIA破棄決定の理由(フッ化ポリイミド等の輸出管理見直しとホワイト国外し)

 2019年8月に韓国が突然、GSOMIAを破棄するという通告をしてきました。

 韓国がGSOMIAを破棄することにしたのはなぜでしょうか?

 これは日本の経済産業省が2019年7月に発表した韓国向け輸出管理の運用見直し(フッ化ポリイミド等の輸出管理見直しとホワイト国外し)が原因であると言われています。

 これはお門違いもはなはだしいのですが、実際問題、韓国の特に半導体産業、あるいは経済にとっては痛すぎる見直しといってよいでしょう。

フッ化ポリイミド等のリスト規制対象の韓国向け輸出管理見直しとは?

出典: 毎日新聞

 「韓国向け輸出管理の運用見直し」ですが、二つありまして、その一つがこの

 「リスト規制対象のフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素を包括輸出許可制度の対象から外す

 というものです。

 「リスト規制」というのは、「武器」や「大量破壊兵器の開発に用いられるおそれの高いもの」をリスト化し、このリストに記載された品目を輸出する際には経済産業大臣の許可が必要となるように厳しく管理するというものです。

 当たり前ですよね。

 ↓の経済産業省の資料に載っているので、興味があれば見てみてください。

https://www.meti.go.jp/policy/anpo/seminer/shiryo/setsumei_anpokanri.pdf

 「化学兵器」などの「武器」がリスト規制対象になるのは当たり前ですが、それ以外に「セラミック粉末」などの「先端材料」も「大量破壊兵器の開発に用いられるおそれの高いもの」ということでリスト規制対象になっているわけですね。

 上記の「フッ化ポリイミド」、「レジスト」、「フッ化水素」も「大量破壊兵器の開発に用いられるおそれの高いもの」ということでリスト規制対象になっているわけです。

韓国に取られていた包括輸出許可制度という優遇措置

 ところがこれまで韓国には「フッ化ポリイミド」、「レジスト」、「フッ化水素」について包括輸出許可制度という優遇措置が取られていました。

この優遇措置によれば、韓国が日本に

 「「フッ化ポリイミド」、「レジスト」、「フッ化水素」を韓国に輸出してください。」

 と申請すれば、審査なしで最大3年分、輸出してもらうことができました。

 言ってみれば「フッ化ポリイミド」、「レジスト」、「フッ化水素」の日本の輸出管理はザルだったということですね。

 そんな「大量破壊兵器の開発に用いられるおそれの高いもの」を韓国に言われた分だけ輸出してしまっていた日本の輸出管理の方がおかしいですよね。

 ともかくリスト規制対象の「フッ化ポリイミド」、「レジスト」、「フッ化水素」が包括輸出許可制度の対象から外されたことで、今後は韓国が日本に対してこれらの輸出を申請する際には、個別に輸出の許可を経済産業省に申請する必要が生じます。

 そして、この審査は最大で90日かかるそうです。

韓国をホワイト国のリストから削除(ホワイト国外し)とは?

出典: 大日建設

 「韓国向け輸出管理の運用見直し」のもう一つがこの韓国をホワイト国リストから削除するというものです。

 ホワイト国リストに入っていたというのは何を意味するのでしょうか。

 上記した「リスト規制」のリストに入っていなければ、どんな品目でも輸出が自由なのかというとそうではありません。

 「リスト規制」は「武器」や「大量破壊兵器の開発に用いられるおそれの高いもの」をリスト化し、厳しく管理するものでした。

 この「リスト規制」の対象ではないものの「大量破壊兵器の開発に用いられるおそれのあるもの」を輸出する際に経済産業大臣の許可が必要となるようにして管理する規制のことを「キャッチオール規制」といいます。

 この「キャッチオール規制」の対象のリストも↓の経済産業省の資料に載っているので、興味があれば見てみてください。

https://www.meti.go.jp/policy/anpo/seminer/shiryo/setsumei_anpokanri.pdf

 それで日本が韓国をホワイト国リストに入れていたということは、つまり日本が韓国を輸出管理を厳格に実施している国であると認めていたために、韓国を「ホワイト国」として認定していたということですね。

 そしてこの「ホワイト国」として認定されていると、上記した「キャッチオール規制」の対象外となります。

 なので、2019年7月に日本が韓国をホワイト国リストから外す前、韓国は日本の輸出管理において、キャッチオール規制の対象外であったというわけです。

 しかし、韓国がホワイト国リストから外れたため、今後、韓国が「キャッチオール規制」の対象の品目を日本から輸入する場合、その許可を経済産業省に申請しないといけなくなったというわけです。

韓国GSOMIA破棄は「日本の輸出管理見直し、ホワイト国外し」の対抗策になっていない

 「日本の輸出管理見直し、ホワイト国外し」に対し、韓国は2019年8月に

 「そんなことをするならGSOMIAを破棄するぞ!

 と脅しをかけてきたわけですが、これには日本は目が点という感じですね(・。・)

 だって、あまりにも無関係すぎる話ですよね。

 ともかく韓国は自身の経済にとって「日本の輸出管理見直し、ホワイト国外し」が痛すぎて、なんとかして日本に撤回してもらいたいあまり、切り札(※と勘違い)の「GSOMIA破棄」で日本に脅しをかけてきたというわけですね。

韓国GSOMIA破棄宣言に対し日本政府は「どうぞどうぞ」の対応

 そもそもGSOMIAをなんで日韓で締結したのかといえば北朝鮮のミサイル発射に対して情報を交換しようという意図があったわけですよね。

 日本は偵察衛星を使って北朝鮮内部のミサイル発射の動向を迅速にかつ正確に調査することができます。

 ところが韓国にはその能力がなく、「韓国には人工衛星で北朝鮮内部の軍事動向を探知する偵察能力がまったくない」とのアメリカの専門誌の指摘もあります。

 日本はアメリカと連携してお互いにやミサイルの落下地点などの情報を日米で交換できるため、韓国とのGSOMIAがなくなっても大した問題はないそうです。

 それどころかGSOMIAは互いの信頼を前提として成り立っているのに、そんな日本からの情報を何に使うんだか分かったもんじゃない韓国に対し、軍事機密情報を提供してあげる方が危険だと僕は思います。

 というわけで日本にとって日韓GSOMIAはデメリットこそあれ、メリットはほぼほぼないので、韓国GSOMIA破棄宣言に対し日本政府は「どうぞどうぞ」の姿勢であったわけですね。

日本政府の「どうぞどうぞ」対応に対し、韓国の日本製品不買運動(駄々っ子作戦?)

 日本政府の「どうぞどうぞ」の対応に対し、韓国では日本製品の不買運動をしたりして

 「いやだいやだ!ホワイト国に戻してくれないといやだ!

 と駄々をこねたわけですね。

 まるで「お菓子を買ってくれないといやだいやだ!」と床に寝転がって駄々をこねる子どものようです。

 この韓国の日本製品不買運動ですが、そもそも「勧告をホワイト国に戻せ」ということは日本から「フッ化ポリイミド」などを買いたいってことのはずですが、不買運動って矛盾していますね

 日本製品の不買運動をするなら、「フッ化ポリイミド」も不買でちょうどいいような気がしますが。

 ともかく韓国の駄々っ子作戦(?)ですが、上記したように大量破壊兵器に繋がるような危険な品目を韓国の言われた通りに輸出するずさんな輸出管理は日本としても大問題なので、当然、日本は韓国の駄々っ子作戦を無視します。

 ちなみに産経新聞から↓のような記事もありまして、こんな国に日本から大量破壊兵器関連物資を輸出していては相当やばすぎますよね。

 韓国企業がイラン、シリアへ不正輸出 大量破壊兵器関連物資 国際管理に抵触

韓国がGSOMIA破棄宣言を破棄(条件付きで延期)

 「ホワイト国に戻してくれないならGSOMIAを破棄するぞ!

 とさんざん日本を脅しても日本政府は「どうぞどうぞ」の対応であったため、困った韓国は2019年11月に結局、

 「GSOMIA破棄を一時的に取りやめる

 と日本側に通告してきましたね。

 北朝鮮のミサイル発射情報が入ってこなくなって困るのは韓国であるため、こぶしを振り上げたものの降ろしたくて仕方なかったのかなと僕は思います。

 ここでおとなしく、自分の非を認める国だったら苦労しませんが、残念ながら韓国はそのような国ではないですね 😥 

韓国、文在寅大統領の外交が「判定勝ち」と誇示

 時事通信の記事によれば、

 「日本の韓国向け輸出管理強化措置と、GSOMIAとは次元の異なる問題

 と言っていた日本政府の説明が

 「今回、事実上破られた

 と韓国が主張しているみたいです。

 「え?どんな理屈?」って感じですね

 もはやサンドウィッチマンのボケなのかなと思ってしまいますが、要するに日本に対し負けを認めることは韓国の政治では許されないということなんでしょうね 😐 

本記事のまとめ(ホワイト国外しからGSOMIA破棄の停止まで)

 以上、ホワイト国外しから、韓国のGSOMIA破棄、さらにGSOMIA破棄の停止と、お騒がせな韓国との外交について説明してきました。

 戦前からず~っと韓国に対し、甘い態度を取り続けてきた日本でしたが、ここにきて初めて韓国の駄々っ子作戦に毅然とした態度で対応しましたね。

 甘やかすと相手は図に乗るし、これまでの日本の対応が異常であっただけで、今回の対応があるべき姿だと僕は思います。

 個人の付き合いだって、相手を下に見て甘やかしまくっていたら、上下関係となるだけで良好な関係にはなれないですよね。

 国同士だって同じで、今回のように互いに対等な立場で付き合うことで、良好な関係が構築できると思いますね。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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